銃は愛の結晶

(下ネタ的な意味で)

АО-63/AO-63について今現在分かってる事と公開されてる画像群まとめ

最近まで都市伝説とされていたソ連ЦНИИТОЧМАШ製の試作アサルトライフルАО-63の存在が2017年4月19日、Музей им. М.Т. Калашниковаのエフィム ザグレビン氏のVK上で公開された。

以下がその動画

vk.com

 

以下キャプチャ

f:id:hayabusa-kun:20170606002727p:plain全体像が確認できる。グリップやストックは既存の物に近いがハンドガードは特有の物の様子、横からでは二銃身が確認できない。筆者はこの時点で感動のあまりマジ泣きした。

 

f:id:hayabusa-kun:20170606002940p:plain極端に分厚いマガジンや奇妙な形状のダストカバーほかが見て取れる。

 

f:id:hayabusa-kun:20170606003214p:plain二列のトリガーメカ、ほぼ同じものが並んでいるように見える。

 

f:id:hayabusa-kun:20170606004433p:plainバレルトラニオン。画質の問題でよく見えない。

 

f:id:hayabusa-kun:20170606003332p:plain二列のガスピストンポートと銃身、異常に分厚いハンドガード。この銃以外では見たことも聞いたこともない水平二連式アサルトライフルの最も目立つ部分。ロアーハンドガードリテーナもラッチが中央にあるなど奇妙な形状をしている。

 

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f:id:hayabusa-kun:20170606003849p:plain二列のガスピストンとボルトキャリア。当時、筆者は恥ずかしながら双方のピストンはこのまま固定されていると思い込んでしまった。

 

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f:id:hayabusa-kun:20170606004638p:plainりコイルスプリング部分。本当に二列にしただけという印象を受けるが、ガイドベースはほんの少しだけ強化されている様子。

 

f:id:hayabusa-kun:20170606004803p:plain(おそらく)専用マガジン。弾倉内部が2つに分かれている様子で、左弾倉(便宜上これを左弾倉、これが給弾する銃身、ボルトを左銃身、左ボルトと呼ぶ)にはリブも見当たらない。

 

解説によるとデザイナーはトカチェフ技師で、«Ружье.Оружие и амуниция»98年第1号やwikipediaに掲載されているシモノフ技師の名はここに無い。

全長は事前の情報どおり890mm

本体重量(弾倉なし)は3.68kg、AK-74Mとほぼ変わらない。複数銃身として驚異的な軽量さと言えると思う。

連射速度は850/6000回/分(フル/セミ)圧倒的な連射速度は事実と思いたい。

弾倉容量は45発。30発弾倉に15発弾倉が加えられたものに見える。

開発年が1984年とされており、事前に考えられていた1986年の予想とここでは矛盾している。なお1984年はアバカン計画に最初から参加していたチームが試作した時期で、ЦНИИТОЧМАШのトライアル参加は1986年5月から6月と思われる。

エフィム ザグレビン氏は6月22日にカラシニコフ博物館で開催されるアバカン展について言及していて、おそらくこの銃も展示されると思われる。(だれか写真撮ってきて...)

 

その後、facebookの博物館垢などが続けざまに写真などを公開した。

 

ここでシモノフ技師の名前が出る。おそらくトカチェフ技師とシモノフ技師の合作なのは間違いない様子。

 

f:id:hayabusa-kun:20170606010233j:plainマガジンの接写。左弾倉にはどう見ても専用のリブがない。この画像で双方のピストンが稼動することに気が付いた。

 

m.facebook.com

1986年にシモノフ技師が試作したとの記述があり、先の動画と矛盾。1984年1986年どちらかは間違いである可能性がある。

二発のバーストは毎分6000千発、初弾から次弾の発射までの間隔は0.01秒であると言われているとの記述。殺傷能力にも触れているがあくまでも予測であって、実射テストなどは行っていない様子。貴重な実物を破損させる可能性があるから、今後実射はないと思えるが...

セレクターは3つで、フルオートでは850rpm。セミ、フルでは片方のバレルのみを使用するとの記述もあり、左銃身を使うのはバースト時のみの様子。AN-94とこの点でも異なる。

弾倉は30発スチールマガジンに15発シングルカラム弾倉を取り付けたもので、ツインの銃身、ボルトを持ち、左右両側から排莢する。

ほかに、この極めてユニークな銃を調べる機会に恵まれ、とてもうれしいと発言している。博物館側もテンションMAXっぽい。その気持ちわかるよ。

 

 

f:id:hayabusa-kun:20170606012206j:plainセレクター。Oが消えかけているが左からА(フル)Д(バースト)О(セミ)でセイフティの様子。映り込んでいるボルトの位置が奇妙。役割も状態も不明。

 

 

f:id:hayabusa-kun:20170606012315j:plain比較的高解像度の全体像。見ているだけで感動で胸がいっぱいになる。博物館の職員の皆さんへは感謝してもし切れない。

 

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f:id:hayabusa-kun:20170606013133j:plain右フロントサイトベースと左フロントサイトベースの形状が異なる。おそらく右銃身を酷使する関係でこうなったと予測しているが、詳しいことは分からない。

 

f:id:hayabusa-kun:20170606013422j:plainf:id:hayabusa-kun:20170606013455j:plain鮮明なトリガーメカ。左右の違いは分からない。2枚目に見えている木をストックとすると、固定方法がわからない。

 

 

 

執筆した6月6日現在公開されている一時ソースはこれだけ(他にもあれば教えて)。この試作を公開するために行動した全ての方に最大限の敬意を表明したいと思う。

 

*6月9日追記

VK上でカラシニコフ博物館のポペンケル マクシム氏の投稿にAO-63が登場した

https://vk.com/museum_mtk?w=wall-1502251_1403%2Fall

 

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異常に分厚いマガジンと銃本体のスケールがよくわかる。

 

また、カラシニコフ博物館公式もアバカン展の広告を流していたのでリンクを貼る

https://vk.com/museum_mtk?w=wall-1502251_1397%2Fall

 

くわえて公開以前に考えられていた想像図も載せておく。検索しても出てこなくなりそうだからね。

 

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有志が作成したモックアップ想像図。上下二連だと思ったのは間違いだった。そもそも想像で予測がどうにかなる設計ではないからこれでも十分だと思う。この画像で今までどれだけ心がときめいたかを考えるとanonymousな製作者には探し出して礼を言いたい気になる。

 

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映画、レッドスコルピオンに登場したAO-63(とされるFN FAL改造モックアップ。この映画を見たことがないからよくわからない)。

いい感じに強そうで、上下二連のインパクトがいいと思う。たぶん有志のモックアップに大きな影響を与えている。この画像でも夢いっぱい膨らんだので思い出深い。